12/03/22 「絆」で瓦礫は処理できるのか◆日刊ゲンダイ

Pocket

処理出来た瓦礫(がれき)は僅(わず)か6%、と細野豪志氏。だから20%は国民全体で分かち合う「絆」を、と野田佳彦氏。その「大政翼賛」が完遂しても処理分量は全体の4分の1。政府が示すべきは残り74%を被災地で如何に処理するかの工程表。「広域処理」=無為無策な「政治主導」の失敗を目眩ますキャンペーン!
小学生でも抱く“素朴な疑問”を僕は140字でツイートしました。
他方、JR川崎駅前で環境省が開催した「みんなの力でがれき処理プロジェクト」街頭イヴェントで細野氏は「このままでは2年で処理出来ない。1日でも早く瓦礫を無くしたい」と絶叫し、TVキャスターから神奈川県知事に転身した黒岩祐治氏も「瓦礫受け入れが日本の絆を世界に発信する」と唱和。劣化し続ける日本の政治と行政は、情念・情緒の世界に迷い込んでいます。
「(被災地以外の地域が)受け入れない理屈は通らない」と宣う細野氏は、20%=400万トンの瓦礫を10トントラックで全国に運搬したなら40万台、の驚愕すべき現実を再認識すべき。にも拘らず、被災地が求める焼却場の建設を事実上、政府は却下し続けています。
被災地の瓦礫処理は飽く迄も一時的な事業と政府は規定。事業終了時迄の仮設焼却場整備ならば相談に応じるが、常設焼却場建設は域内の人口等設置要件を満たさねばならず、仮に設置後10年未満で財産処分の場合は交付金の国庫返還を求めているのです。
が、この「規定」こそ、「三位一体改革」を掲げて小泉純一郎氏の時代に創設の「循環型社会形成推進交付金」なる“飴と鞭”が齎(もたら)した自家撞着の悪夢に他なりません。起債償還時の後年度交付税措置も含め、建設費用の7割を国庫負担する制度の下、24時間燃やし続けねば施設機能に支障を来す、身の丈を超えた巨大焼却施設が全国各地に林立しました。
市町村、並びに複数自治体が「一部事務組合」を設置して運営する焼却施設は日本全国に1242。内879施設が全連続式、準連続式。一旦動かすと電力需要が少ない深夜も稼働を止められない原発同様、「需給」に拘らず動かし続けねばならぬ全国各地の処理場は、燃やし続けるゴミの確保を切望しているのです。
「瓦礫処理は日本人の国民性が試される」と野田氏は会見し、「(受け入れ自治体の)焼却場の減価償却費も更に国が支援」と細野氏が述べる、それが深意。「震災復興の闇」と僕が述べる所以(ゆえん)です。