12/04/19 「政治主導」とは「政務転嫁」だった◆日刊ゲンダイ

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政治家は「歴史法廷の被告として」審判を下される、と中曽根康弘翁は嘗(かつ)て述懐しました。
その伝に従えば、「再稼働」に関する議事録は存在せず、と官房長官会見で公言する野田佳彦内閣は、歴史法廷から敵前逃亡した被告として、後世、如何(いか)なる審判を下されるのでしょうか?
何故か他の電力会社と異なり「原子力」の3文字が名称に組み込まれていない関西電力大飯発電所の3、4号機「再稼働」を判断する関係閣僚協議は「自由討議であり、記録を残すような話し合いではない」、「最終判断は政務で行う」と藤村修官房長官は牽強付会な強弁を重ねています。
いやはや、計6回に亘(わた)って官邸で行われた会議は「政務」に非(あら)ず、と認識しているらしいのです。政府が重要な意思決定を行った過程を後日、検証出来る様に文書に残す事を公文書管理法が義務付けているにも拘(かかわ)らず。
複数の辞書には、「政務」とは行政事務を意味するとの記述も有ります。成る程、「政治主導」を自ら放棄し、財務官僚主導で消費増税に血道を上げる政権は、原発稼働も経産官僚主導の「最終判断」に従うまで、と責任転嫁の予防線を張っているのかも知れません。
う~む、明日19日にも参議院で問責決議が可決する前田武志国土交通大臣が、「政務秘書官に促される儘(まま)に署名した」「思いも寄らない文書が思いも寄らない形で使用された。呆気に取られている」と居直ったのも宜(むべ)なる哉。旧日本軍幹部も顔負けの責任転嫁。「政治主導」とは実は「政務転嫁」だったのだ、と捉えれば辻褄(つじつま)も合うのでしょう。
官房長官、枝野幸男経済産業大臣、細野豪志原発事故担当大臣、斎藤勁官房副長官の政権4氏と共に、「政治判断する」と明言する首相が仕切る関係閣僚協議には何故か、政権外の仙谷由人・民主党政策調査会長代行も出席しています。
発言が迷走し続ける若手大臣の後見人を自認する日本社会党出身の“活動家”は、「オブザーバー」参加の位置付けにも拘らず、「原発全停止は集団自殺だ」と煽動(せんどう)し、“巻き込み自殺”の首謀者たらんと暗躍しています。
「原発無しで日本国家が立ち行く筈も無く、原発の速やかな段階的廃止の検討は不可能」と昨年9月の首相就任直後、「ウォール・ストリート・ジャーナル」の単独インタヴューで言明した宰相との、慨嘆すべき二人三脚振りです。