12/05/31 弁明の軽業師、言い訳の曲芸師◆日刊ゲンダイ

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舌禍事件として更なる退陣要求が高まるのは不可避、と直感したのは「日経ビジネス」5月14日号のインタヴューを一読した瞬間です。「問責された応援、『私も唖然とした』」と題し、国土交通大臣の前田武志氏が事件の真相を吐露しています。
「3月27日に山田良司議員(比例東海ブロック)が・・・『下呂市長選挙に自分の友人が出る・・・後援会に大臣の激励文書を渡したい』・・・名刺を欲しいというのでお渡ししました・・・後はもうさっぱり。何がどうなったのか判らない」
「結果として・・・私の名刺と署名入りの文書が下呂建設業協会理事長と下呂温泉旅館協同組合理事長に届けられ・・・誰かにお渡しすると思って名刺を渡している訳ですが・・・国土交通省の封筒を入手して郵送とは思いません・・・送られた方も驚いたでしょう」
「3月30日の夕刻に支援文書にサイン・・・年度末という事も有り、多忙を極め・・・衆参両院の本会議や予算委員会、朝夕の閣議に加えて、年度末の案件処理が次から次に・・・記者会見の後に出張・・・政務秘書官に促されてサインしたのは、記者会見が終わって移動しようとしていた時」。
「私の『身柄』は国家国民に差し出しております」と言明する一方、「私としてもキツネにつままれたような話」と述懐する彼に唖然とした僕は、他党は追及を強めるに違いないと確信。が、半月以上が経過するも凪(なぎ)状態の永田町です。
5月27日、国会事故調査委員会の公開聴取で経済産業大臣の枝野幸男元官房長官は、「昨年3月13日の記者会見で炉心溶融の可能性を報告し・・・国民に伝わっていると思っていた」「溶けているし漏れている事は余りにも大前提で・・・改めて申し上げる機会がなかった」と発言。
「国民の認識と大きくかけ離れていると言わざるを得ない」、「『自己正当化』の発言が目立ち、政府の情報発信の在り方が国民の不信を招いた事への十分な反省の気持が有るとは受け取れない」と共同通信は批判。傍聴していた畏友・岩上安身氏も「弁明の軽業師、言い訳の曲芸師。ここまで言う事が変わる人は見た事がない」とツイッターで慨嘆しています。
昨年、僕は前原誠司氏を「口先番長」、仙谷由人氏を「恫喝番長」、細野豪志氏を「二股番長」、枝野氏を「詭弁番長」と形容し、彼らから不快感を表明されました。が、前田氏の発言も踏まえて顧みるに、何れも“ノブレス・オブリージュ”なき民主党に相応しき惹句(じゃっく)、と実感する次第です。