12/07/12 「平成のええじゃないか運動」◆日刊ゲンダイ

「前代未聞の国民のうねりだ、と見抜いた亀ちゃん=亀井静香氏を誘って参加!あさま山荘事件、テルアビブ空港乱射事件の陣頭指揮を執った元警察庁公安第三課長補佐の亀ちゃんが、皆さん、この運動を最後までやり抜きましょう、と官邸前でスピーチ。現役警察幹部諸氏も、このデモの意味を理解しましたか?」
140文字を僕が深夜にツイートした先週6日、「金曜日は官邸前に行こう!!」と首都圏反原発連合が呼び掛ける「大飯原発再稼働決定を撤回させる首相官邸前抗議」に警視庁発表で2.1万人が参加しました。雨模様、そして再稼働したにも拘らず、否、再稼働したればこそ、1.8万人の前週を上回ったのです。
「1人の日本人として僕も参加したいと思って来ました。諦めずに声を上げましょう」と坂本龍一氏も語り掛けました。
奇しくも再稼働強行の7月1日は、「暑さで気の緩みから事故が多発する夏場に、産業災害・交通事故等の災害防止を図る為」、1960年に閣議決定された「国民安全の日」。「安全性と必要性を総合的に判断し、再考する気持は無い」と未だに国会答弁する泥縄・泥鰌(どじょう)宰相は、“政事屋”と“傾営者”と“呆道人”の勘性も倫理もメルトダウンし続ける日本社会に敢えて“警句”を発したのかも知れません(爆)。
霞ヶ関交差点から首相官邸へと向かう30m道路が、非暴力の老若男女で埋め尽くされた前週の「反省」からか今回、参加者を「警備」する人員は膨大に増加し、国会議事堂前駅の改札口で出場制限を実施しました。
「出口が封鎖され、足止めされた参加者が多く居た地下鉄の構内。カッパを着て不安そうな表情の少年に母親が『大丈夫よ、悪い事をしてる訳じゃないの。悪い事を止めさせるの』と囁き、抱き締めた。俺は思わず涙ぐんでしまった」とのツイートに、僕も落涙しました。「平成のええじゃないか運動」に参集する圧倒的大多数は、「プロ市民」と呼ばれる突撃玉砕型活動家ではないのです。
終了届出時刻の20時少し前、遙か彼方の参加者にも聞こえるようにと警備当局のトラメガ=トランジスタ・メガホンを“借用”した首都圏反原発連合の1人が、「来週も再来週も続きます。これで今日は散会です」と宣言したかと思いきや、「では、最後にもう一度。再稼働反対、再稼働反対」と唱和を呼び掛け、周囲の警察関係者が虚を突かれてしまいました。
う~む、権力VS市民の古い二項対立OSの「知識人」とは対極と密かに自負する僕すら思わず舌を巻く、このしなやかさが今回のムーブメントの卓越性なのです。
「デモは社会部マター。我々は政治部」と縦割り行政の如き強弁を嘯き、首相官邸前の国会記者会館に陣取る面々は絶えて報じぬ迫力と感動の空撮映像を、IWJを主宰する畏友・岩上安身氏と共に紹介した8日放送のBS11「田中康夫のにっぽんサイコー!」は、新党日本ホームページでアーカイヴ視聴可能です。
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