12/07/26 「バカ田大学」で自己陶酔も甚だしい◆日刊ゲンダイ

「自分が諦めない限り失敗はない。成功の要諦は成功するまで続ける事にある。失敗の最大の要因は自分が諦める時だ」。
去る22日、赤塚不二夫氏が創設した都の西北「バカ田大学」に隣接する「再考」学府から招聘され、大隈講堂で講演した野田佳彦なる人物の発言です。自己陶酔も甚だしき御仁は、自分を登山家と勘違いしているのかも知れません。
前人未踏の峻峰(しゅんぽう)を踏破する前に諦めたら、登山家は死にます。他方で、身の丈も弁(わきま)えず、それも踏み入れるべきでない危峰へと猪突猛進する指導者は、国民を殺します。
同窓として諫言・直言してこそナンボの“在野精神”。然(しか)るに、鎌田薫総長は嬉嬉として学舎に迎え入れ、学ラン姿の応援団と共に“校歌”放吟しました。大政翼賛の空気に抗し続けた石橋湛山、斎藤隆夫を始めとする気骨の先達は泉下で慨嘆しているでしょう。
同日、副総理を務める岡田克也なる人物は、「政府に(青森県大間町の)大間原子力発電所建設再開を止める法的権限はない。理解を得られる為の努力を(事業者の)電源開発にして頂く」と記者会見しました。潤沢な国家予算を投じて広告代理店が取り仕切った政府主催の対話集会終了後に函館市で。世も末です。政府が、大間原発建設許可を出す権限を行使したにも拘らず。
岡田原理番長も又、口先番長、詭弁番長というオリジナル民主党DNAを護る三百代言でした。彼が大量の株式を保有するイオンは、「フードアルチザン」と称する事業を大展開。「イオンは食の匠を応援します」と大書きの専用HP http://www.foodartisan.jp/ は「日本の食文化を守り育てる」「知る人ぞ知る地域の食を日本中に発信」と謳います。
周辺海域で頭部が2つに割れた海老が大量発生し、現在は操業停止中のイギリスはセラフィールドMOX核燃料工場の悲劇を起こさぬ為にも、「フクシマの匠」を護れなかった日本政府に代わって、イオンは大間の漁民も必ずや護ってくれるでありましょう。
その前日、「私個人の心情で言えば、明日でも全部止めたい」と宇都宮市で民主党が開催した集会で枝野幸男なる人物も述べています。呵々。その権限こそ、貴方が保有しているのではありませんか! 一体、何の為に経済産業大臣を務めているのでありましょう。例えたなら、戦争を止めたいけど、その勇気を持ち合わせていない、と吐露しているが如き。夢見る夢子ちゃんに他なりません。
理念も覚悟も持ち合わせぬ政事屋の“呆言”を、批判もせずに垂れ流す護送船団記者クラブも含め、正に世も末です。
【引用元】
・「経済再生も行革もやる」=母校で決意―野田首相講演 時事通信
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_481766
・野田首相講演要旨 時事通信
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201207/2012072200154
・大間原発建設再開「止める権限ない」岡田副総理 讀賣新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120723-OYT1T00207.htm
・「原発、明日にも全部止めたいが…」 枝野経産相が吐露 朝日新聞
http://www.asahi.com/special/energy/TKY201207210580.html
・野田佳彦内閣総理大臣講演会(早稲田大学)  首相官邸  映像&全文
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/2012/20120722waseda.html