12/10/22 富国裕民の新方程式へ◆共同Weekly

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今こそ固定観念を打破し、日本を富ませ・国民を豊かにする“富国裕民”の「新しい方程式」を打ち立てねばなりません。けれども、国民の期待を裏切る事だけは天才的な民主党は、あらゆる分野で無定見な政権運営を行っています。
マグロで知られる本州最北端の大間町を始めとする3ヶ所で政府が建設許可した原発計画の続行可否は飽く迄も事業者の判断だ、と逃げる一方で、「脱原発」の民主党と「推原発」の自民党の違いが次期総選挙の争点だ、と宣うのですから、開いた口が塞がりません。例えたなら、御前会議改め閣議決定した戦争は、戦渦拡大の危険性が高まろうとも判断は軍部に委ね、内閣は終戦を決断する権限を有さず、って具合です。脱原発の具体的工程表を示すドイツ、イタリアとは雲泥の差。
ポスト原子力の代替エネルギー開発には天文学的な歳月と費用を要する、と否定的発言を繰り返す面々が居ます。突如として健忘症になった彼らは、放射能の発見から原子力の利用に至る道程も同様だった不都合な真実から目を背けています。
前例が無いから、法律が無いから難しい、と“出来ない条項”を並べ立てる役人と似ています。なまじ知識と経験を持ち合わせているが故に、現在は失敗体験と化してしまった、過去の成功体験という「古い方程式」から踏み出せないのです。
科学を信じて・技術を疑わなかった20世紀から、科学を用いて・技術を超える21世紀へ向けて「新しい方程式」を編み出してこそ考える葦(あし)。
「3・11」後に初めて開かれた昨年4月の予算委員会で、石油を作る藻=オーランチオキトリウムの実用化に向け国家的支援を行うべき、と提言しました。化石燃料の重油に相当する炭化水素を高効率で生成し、細胞内に蓄積する藻類を見付けた筑波大学の渡邊信教授に対し、早くも欧米の石油メジャー資本は実用化に向けての資金提供と独占契約を持ち掛けています。
が、是非とも“日の丸印の新エネルギー”を確立したいと渡邊教授は申し出を断り、研究を続けているのです。日本近海で埋蔵が確認されたメタンハイドレードやシェールガスと並び、資源立国ニッポンへの可能性を秘めています。なのに、政府の動きは鈍い限り。
最先端研究開発支援の予算額を「事業仕分け」で3分の1に削減していた民主党政権は、ノーベル賞を山中伸弥教授が受賞するや臆面も無く、300億円を大盤振る舞いする無節操さ。
オーランチオキトリウムの可能性に気付くのは一体、何時でしょう?そうこうするうちに今秋、EU=欧州連合はオーストリア東部に、原料となる藻を大量発生させる大規模施設で実証実験を開始しました。
別の原発でも動脈瘤(りゅう)が破裂するかも知れぬ“ロシアンルー列島ニッポン”で、目先の利く高校生が原子力工学科を目指す筈もありません。結果、優秀な技術者も研究者も払底する事態に陥ります。
原子力技術の火を絶やすな、と口角泡を飛ばす面々こそ、放射能に占領された領土と化した「フクイチ」30km圏内を核廃棄物の最終処分場とし、全世界から引き受ける核廃棄物の最終処分場としてこそ、最大最強の安全保障政策。
更には各地で既存原発の廃炉事業を安全に実施する「新しい方程式」へと発想転換してこそ、愛郷心・愛民心に燃える若者も再び原子力工学科を目指します。
その為にも先ず、哲学も覚悟も欠落した無責任「政事」の指導者が改まらねば話になりません。