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 「週刊現代」掲載


小泉“改悪”で「1000兆円の赤字国家」

小泉内閣が誕生して4年余り、日本はどうなったのか。明白なのは、170兆円を超す赤字国債が発行され、1時間に39億円もの借金が増え続けていることです。さまざまな財政投融資や特別会計等の負債も加えたら、赤字額は実に1000兆円超。世界一の借金国です。
小泉純一郎首相は就任時、「改革なくして成長なし」と述べました。この巨額の借金増大も改革の成果だというなら、広辞苑の中の「改革」の項目を緊急訂正しなくてはならないね(苦笑)。
「構造改革」の御旗の下に小泉首相がやってきたことは、「自分の考えに従わない者は認めない」という国会総純一郎化の〃純化路線〃でした。衆議院解散の先に待ち受けているのは、「自民党をぶっ壊す」と言いながら自らは自民党の中に留まり、竹下登元首相の旧経世会時代にすら有り得なかった異論を潰す言論封殺。最早、議会制民主主義の否定でしかありません。しかも、ヨン様ならぬ「純ちゃん喜び組」とも「純ちゃんハーレム」(苦笑)とも呼ばれる、にわか仕立ての女性軍団が登場しちゃった。
党議拘束をかけたのに、郵政民営化法案が参議院で否決されたのは、小泉首相と武部勤幹事長の指導力不足の証しでしかない。なのに、自らの指導力不足を謙虚に反省することなく、居直り解散に踏み切った。
彼は自分の幸せを守ることにかけては天才です。が、それ以上に国民に不幸をもたらすことにかけても天才なのです(苦笑)。
フランスの代表的新聞「ル・モンド」も、「改革の成果がない小泉に対する国民の嫌気の表れが参院での否決なのに、彼は自民党内の造反議員に責任転嫁し、国民に新たな白紙委任状提出を強要している」と喝破しています。
 小泉内閣が提出していた郵政民営化法案には、中身が何も無いのです。現在、郵便貯金と簡易保険を合わせて340兆円。これは国民一人ひとりが額に汗して働き、蓄えたものです。問題は、民営化に伴って、こ の巨額な国民の蓄えがどうなるかです。
日本政府は日本長期信用銀行に6兆円もの血税を注ぎ込んだ挙げ句、僅か6000分の1の10億円でアメリカの金融資本に売り渡しました。程なく、1兆円の利益を上げています。同様の海外流出が、民営化後の郵貯や簡保で起きない保証はありません。
 だから、「新党日本」の小林興起も滝実も青山丘も荒井広幸も、具体的防止策を併せて同時に法制化すべきと主張したのです。当たり前の話です。が、小泉首相は、彼らを抵抗勢力だの嘘吐きだのと小馬鹿にしました。
嘘吐きは一体、どっちでしょう。
多くの諸外国でも、郵政事業の民営化は失敗しています。ニュージーランドは民営化した郵政事業が外資の手に渡って混乱し、国営に戻しています。同じく民営化したドイツも大都市以外は惨憺たる状況で、かつて一緒だったドイツポストとドイツポスト・バンクは近く再統合します。
イギリスも国営です。トニー・ブレア首相は日本の郵政民営化について、「日本だけが逆行してますね」と皮肉ったそうです。“ブッシュのプードル犬”と揶揄されている彼でさえ、そうした考えです。今や小泉首相はそれ以上に忠犬ハチ公です。でも、少しお間抜けな忠犬ですね(苦笑)。当のアメリカだって、郵便事業は国営なのですから。
2年前に小泉首相は、「今後4年かけて国民的議論の下に郵政民営化を目指す」と約束しました。ところが折り返し地点の今年、中身がないザル法案だけを通そうと躍起になっている。余程、アメリカの金融・保険業界から圧力が掛かっているのでしょう。
道路公団の民営化も最悪な結末を迎えています。日本とイタリアの高速道路の建設費用は、共に1km当たり約40億円前後。で、東京−神戸とほぼ同距離のローマ−ミラノの通行料金が3300円。他方で日本はイタリアの4倍の通行料金です。
だから、トラックは高速を避けて一般道を走る。その結果、大型車が一般道をビュンビュン走って歩行者が危ないからと、バイパスを作る。すると、生活道路沿いにあった商店街が空洞化していく。しかも、民営・分社化した結果、天下り役員の数だけが増える有り様。ファミリー企業には一向にメスが入らず、改革でも何でもないのです。
実は天下りの増大に貢献しているのが独立行政法人です。独立行政法人への移行に伴って、数多くの理事ポストが生まれ、官僚の天下り先となります。国家公務員の給料を100とすると、独立行政法人の職員のそれは107・4%と7ポイントも高い。看板を付け替えて、焼け太り。構造改革の下で進む独立行政法人化に対し、霞が関官僚から反対の声が上がらないのは当然です。何ら不都合が生じないのですから(苦笑)。
税の問題も同様です。 竹中平蔵経済財政相は、「少子高齢化社会で現状の福祉レベルを維持するには大幅増税は避けられない。それが嫌なら福祉レベルを引き下げるしかない」と主張しています。しかし、こうした考え方は古い経済学です(苦笑)。
少子高齢社会では、税負担額が増えるにも拘らず、働く人の割合は減少し、国民一人当たりの税負担能力は年々低下します。税負担額を縮小する支出構造に転換せねば早晩、財政は破綻してしまいます。 
例えば、高齢者のデイサービスを始める場合、既存の建物を改修するのでは補助金が出ない、出るのは新築の場合のみ。ハコモノ福祉の増大から、新たな雇用を生む人的福祉サービスの充実へと発想転換が必要




です。が、小泉首相は歳出のあり方に手を付けようとはしないのです。
財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会がまとめた報告書は「税負担増は消費税で賄うしかない」とした上で、財政赤字分をすべて消費税で埋め合わせようとすれば税率は19%になるとの試算を行っている。
こうして危機感を煽ったうえで、まず税率を7〜8%に、次いで10%、やがては19%と段階的に上げていくのが政府の戦略とみられる。小泉首相は「在任中の消費税引き上げはない」とする一方、武部勤幹事長は8月28日のテレビ出演の際、07年度から消費税率を引き上げる方向性を改めて認めた。

文化大革命時代の中国共産党の大宣伝かと見紛う程に時代錯誤な「結党50周年」マーク入りポスターを全国津々浦々に貼りまくる自民党は、耐用年数を過ぎた古びた建物の百貨店です。
最近は、般若面の形相をした小泉ライオンが入口に鎮座して、ベルばらに登場しそうな髪形の元財務官僚や、英語だの料理だのが得意で厚化粧なお姉様方が、ブランド・ショップの販売員として一階で招き猫を務めているものだから、来店客数は増えているものの、上の方の階を覗いてみると、集票と集金ばかり考えている旧態依然な売り場のオジさんが屯している。
他方で民主党も、図体こそ百貨店なものの、とても流通業の息子とは思えぬ店長が、気の利いた言葉の一つも言えぬまま、出迎えているのです。
しかも事務所内では、社民党出身者から松下政経塾出身者まで、国民の生活実感から掛け離れた机上の空論的な百家争鳴に明け暮れている。
自民と民主が、図体だけは大きな百貨店だとすると、私たちの「新党日本」は、商品を厳選した話題の路面店、セレクト・ショップです。それぞれ顔の見える候補者が、「信じられる日本へ。」との思いで集っているのです。
何故、私は反小泉包囲網の一人として立ったのか。第二次世界大戦中、フランス中西部の町ビシーにナチス傀儡のビジー政府が誕生し、強制徴用や人権弾圧の嵐がフランス全土に吹き荒れました。戦後に大統領となるシャルル・ド・ゴールは、自身は国家主義者であったにも拘らず、フランスを守るべく、社会主義者や共産主義者とも手を携え、自由と平和を取り戻したのでした。翼賛的空気が充満する今の日本は、当時と同じ状況ではないでしょうか。
県知事が党代表を務めることを懸念される向きもあるようですが、ヨーロッパでは地方自治体の首長が政党の代表に就くことは極めて一般的です。実際、フランスのジャック・シラク大統領もパリ市長と国会議員を兼務していたことがあります。
全国一律の押し付けをする霞が関官僚に牛耳られた永田町に、地方の現場に於ける改革の成果に基づく具体的改革の処方箋を与え続ける。橋本大二郎高知県知事や片山善弘鳥取県知事も会見で、「地方での取組を全国に広げ、真の改革を推進する上でも支援したい」と語って下さったのも、その点にあるのです。
 長野県知事としての4年半、数々の改革を進めました。就任時には全国47都道府県中46位と危機的な財政状況だった長野県で、先ずは不要不急の起債を抑制し、事業内容をゼロベースで見直し、徹夜を含む計7回の組合交渉で平均10%の給与カットを行いました。他の都道府県では借金が増加する中、長野県は全国で唯一、4年連続で累積債務(借金)を減少させています。その減少額は547億円に達しています。
「『脱ダム』宣言」に象徴される、大型公共事業から地元密着型への転換を、入札改革を同時並行的に進める中で実現し、人が人のお世話をする21世紀型の労働集約的産業である福祉・医療、教育、森林整備等の
環境へと予算を傾注投資し、その甲斐有って、完全失業率は全国で低い方から3番目です。
一地方自治体で可能な改革が、国全体で行えない筈がないのです。地方の現場から日本の改革を。その心意気で、多くのマスメディアが報じない、有りの儘の日本の姿を「新党日本」代表の私は、今後も情報公開していきます。
公示日は、ダグラス・マッカーサーがコーンパイプを片手に神奈川県下の厚木基地に降り立ってから、奇しくも丁度60年目の8月30日でした。私はソニー中興の祖として知られる大賀典雄さんが寄贈された軽井沢大賀ホール前の小高い丘で、「新党日本」代表として「脱『お任せ民主主義』宣言」を行いました。
TVの前の観客民主主義から投票所へと一人ひとりが足を運び、「信じられる日本へ。」と繋がる選択を自ら行う「行動民主主義」の勃興。まさに「一票の発想転換」が、今回の総選挙なのです。
「お任せ民主主義」だった過去60年間、参政権を有する私たちは選挙の度、大層な公約やマニフェストを並べ立てた既存政党の候補者に一票を投じ、けれども、選挙が終わるや程なく、裏切られた思いに陥ってしまう。そうした繰り返しでした。
 私たちは、いつまで悔やみ続け、いつまで騙され続けねばならぬのでしょう?
 合い言葉は「信じられる日本へ。」常識をひっくり返すことにこそ、夢がある。みんなの「日本」が動き出す。
さあ、信じられる日本へ。

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