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 田中代表 民主党大会で挨拶

 挨拶動画はこちらから
(田中代表の挨拶は動画中3人目、8分49秒から始まります。上記リンクは頭出し済みです)


 衆議院で民主党の皆さまと統一会派を組んでおります新党日本代表 田中康夫です。本日はお招き頂き、有り難う御座います。
 奇しくも今から15年前の明日17日早朝、阪神・淡路大震災が生起しました。何が出来る、何かしなくては。その思いで当時、38歳だった私も、大阪で買い求めた50ccバイクに跨り、避難所やテント村、仮設住宅へと半年以上に亘って、訪れました。
 爾来15年。確かに、道路や公共物といった、税金を投じた部分を見る限り、表層的には最早、震災の痕跡を見出すのは、難しくなっています。
 しかし、私と同じく震災直後に現地を訪れたフランスの社会学者ジャン・ボードリアールが鋭くも見抜いた科白、即ち、「高層ビルを始めとして、震災前に斯くも物質的には豊かに思える日本社会が存在し得たのは、実は、斯くも一人ひとりの日本国民が貧しき、脆(もろ)き状態に留め置かれ続けていたからだ」。その悩ましき状況は、今猶、変わっていないと私には思えます。
 この地球の歴史上、前例無き超少子・超高齢社会に直面する日本で暮らす私達は、物質主義から脱物質主義へ、といった抽象的御題目を越えて、発想を変え・仕組みを変えていかねばなりません。
 かといって、理念も覚悟も無き、小手先の取り繕いや、奇抜な目眩ましでは、何も決めない・何もしない、問題先送りな従来の政治と変わりません。
 民主党の皆さんは、大きな組織の都合ではなく、地域に立脚した一人ひとりの人間の為に、「こども手当」に象徴される新しい画期的な仕組みを実現されようとしています。
 その試みに大きく敬意を表した上で、が、僅か1歳違いで受給出来たり出来なかったりする谷間を、如何に埋めるのか。社会的公正と経済的自由を同時に達成せねば、と考える私は、「こども手当」を更に深化させた仕組みこそが、些か手前味噌ではありますが、新党日本が昨年夏の総選挙でマニフェストに掲げたベーシック・インカムの導入だと考えています。
 既に北欧諸国で取り組みが始まっているベーシック・インカムは、生活に必要な最低限の費用を、乳幼児から高齢者まで、全ての個人に無条件で支給する画期的な制度です。
 従来の社会保障制度が前提としていた「労働」と「家族」の形態は変容しています。雇用の不安定化と非正規化が進行すると同時に、「男性稼ぎ手モデル」の専業主婦型家族が「標準家族」とは最早、規定し得ない社会状況が到来しています。
 他方で、人口の逆ピラミッド型は解消する訳もありませんから、如何に年金制度を弄った所で抜本的解決は望めない、と冷徹に認識すべきです。
 額に汗してタクシーの運転手として働く方よりも、生活保護受給者の方が恵まれる逆転現象も生じています。しかも、一旦、受給資格を得た大半の方は、自らの意志で非受給者へと歩もうとはしていない、残念な現実があります。
 ベーシック・インカム構想とは、現行の社会保障給付と、現金給付部分に関して抜本的な統合を図り、障害者、母子・父子家庭には積極的な加算を実施するものです。
 それは、大きな政府とは対極に位置します。個人所得税制に於ける所得控除は不要となり、税制と社会保障制度の統合が実現し、社会保険料の徴収や記録に関わっていた役所と経費、福祉給付で不可欠だった裁量行政的な資力・財産調査に投じる人員も経費も不要となります。
 大きい、小さいの二元論を超越した、より良きアウトカムを生み出す効率的な政府や行政、経済や社会を齎すのです。
 であればこそ恐らく、新自由主義のミルトン・フリードマンも、ステイクホルダー主義のアントニオ・ネグリも、恰もジャズとクラシックが通底かの如く、ベーシック・インカム構想を支持しているのだと思います。
 私達は、優勝劣敗の社会も、一律平等の社会も、共に既得権益派を生み出し兼ねぬ矛盾を孕んでいる事を認識し、であればこそ、切磋琢磨の共に創る共創社会を、目指そうではありませんか。
 私の大学の先輩でもあります、大平正芳氏が生前に唱えた「田園都市国家」にも通ずる、成熟した保守ルネッサンスの一億総中流社会へと国の在り方を改める、正に、改める改国を行わねばなりません。
 その為にも、フェア・オープン・シンプル=公正・透明・簡素な仕組みを形作る、真の意味での日本の改国を、皆さまと御一緒に進めて参りたく存じます。
 本日の御盛会をお祝い申し上げ、御挨拶と致します。
 どうも有り難う御座います。
     

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