12/12/26『富国裕民』を唱えた祖父のDNAこそ認識すべき◆日刊ゲンダイ

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祖父・安倍寛氏のDNAこそ深く認識されるべき、と安倍晋三氏に述べました。党首討論で「自爆解散宣言」が先方から飛び出す前々日の11月12日夜、畏友・勝谷誠彦氏を交えた食膳の場で。
金権腐敗打破を掲げて東条英機内閣の軍閥主義を批判し、戦時中の1942年=昭和17年、無所属・非推薦で「翼賛選挙」に勝利した彼は終生、富国強兵ならぬ富国裕民を唱えた人物です。「貴方が軍師と仰ぐ菅義偉氏も述べているではありませんか。『全国何処に行っても、悩みは景気だ。デフレを脱却し、内向きになっている国民の気持を将来に向けた明るいものにしたい』と」。

日本銀行と対峙するのも、デフレ脱却の選択肢かも知れません。が、大向こうにとっては、些か遠い話なのです。
比するに、福祉・医療・教育の3分野は、人が人のお世話をして初めて成り立つ領域。「空理空論」な教育改革とは異なる3分野への傾注投資こそ、地域に新たな雇用と希望を齎します。
社民主義を標榜する人物が唱える場合と異なり、軟弱だと誹りを受ける恐れは皆無。生活保護受給の“口利き”こそ政事と勘違いする集団も真っ青な、謂わば「テッパン」ニューディール。
が、組閣人事も含め、巷間の噂は芳しくありません。成る程、副総理兼財務相・金融相の麻生太郎氏は「明るい」。が、国民が求めているのは、上っ面の明るさでなく、奥行きを感じさせる明るさなのです。
党3役への2人の女性登用を以て、「党が変わった事を国民に実感して貰う」と幹事長が宣い、「選挙で女性票を獲得する上で可成りの効果を上げる」と共同通信で「識者」が語っても、逆に女性蔑視で時代錯誤なアナクロ感が強いのです。
一方で、燻し銀の魅力を醸し出す高村正彦氏を引き続き副総裁として重用する勘性も、安倍氏は持ち合わせています。ならば寧ろ、防衛大臣よりも復興担当大臣として小野寺五典氏を抜擢し、震災復興の陣頭指揮に当たらせるべきでした。
気仙沼市の実家も自宅も津波に直撃された彼は、震災直後から予算委員会で数々の傾聴に値する提言を行っています。これぞ、被災地に勇気と希望を齎す、実体を伴うサプライズ人事です。
「肝に銘ずべきは内閣総理大臣は公人だって事。安倍総裁はどうも私的な交友関係を人事に持ち込み勝ちだからね。たとえ過去に接点が無くとも、使うべき人材は使うのがプロでしょ。」「ゴマスリ連中をビシッと排除できるかどうかだよ。徹底的に遠ざけて、それでも安倍政権を応援したいって言ってくる人材は本物だと初めて認定すればいい。それくらいの覚悟を見せなくちゃ」と「週刊文春」の連載で苦言を呈した、内閣官房参与に選任された飯島勲氏の諫言です。