11/04/14 “会議は踊る”議論ばかり重ねても・・・ ◆日刊ゲンダイ

4月11日正午、岡田克也幹事長は「合計4兆円程度」の「平成23年度1次補正予算の粗々のイメージ」と記された資料説明を行いました。場所は国民新党本部。亀井静香代表と共に、与党統一会派を組む新党日本の僕も同席しました。
一言で述べるなら、政治主導ならぬ官僚主導で継ぎ接(は)ぎした”余り出来の良くないパッチワーク”。同様の感懐を抱いた亀井代表も、これでは了解する訳にいかない、と具体的に検討すべき項目を列挙しました。農林漁業を含む中小零細企業に対し、5年間返済猶予の無利子融資を実施する。仮設住宅は最低でも10万戸は必要で、そのスケジュールも明示すべき。が、政府は、阪神・淡路大震災では被災者の15%しか仮設住宅に入居しなかったから、その「実績」を根拠に今回の建設は7万戸に留める、と述べる始末です。大阪という大都会が隣接していた前回とは全く状況が異なるのに・・・。
三陸海岸は世界3大漁場の1つです。選挙区に気仙沼市、南三陸町を擁する自民党の畏友・小野寺五典氏も看破します。津波は来たが目の前には沢山の水産資源が有る。大きな費用を掛けずとも、船外機で回す船、漁を獲る網、鮑(あわび)や雲丹(うに)を獲る鉤竿、ワカメを養殖する為のロープと浮き。これらが調達出来れば毎日、海に出て再び自律出来る。なのに、農水省の政務3役に話しても直ぐには理解して貰えない、と。
世帯単位でなく個人単位での社会保障を掲げて民主党は子ども手当を創設した筈。とするなら、被災者に1人10万円の”支度支援金”を速やかに配布すべき、と僕は述べました。今週も含め被災地に3度赴く中での実感です。が、岡田氏の返答は、「義捐金」から30万円程度は支払われる、でした。
新聞社やTV局が喧伝し、日本赤十字社に集約される義捐金は、「公平・平等」を掲げる「配分委員会」が”会議は踊る”議論を重ねて早くても半年後の支給です。
補正予算案では、250~500万円を死亡者に支払う災害弔慰金を480億円計上。が、より大切なのは、これから生きていく被災者が自律心を抱ける環境設定。それが支度支援金、初期費用=イニシャルコストの提供です。1人10万円有れば、避難所を出て隣県の宿泊施設に移る事も、家業の再興に充てる事も可能です。
とまれ、直感力も洞察力も希薄なノーメンクラツーラが主導した社会主義計画経済失敗の轍(てつ)を踏んでいる、と憂慮します。