11/06/02 国も県も机上の空論ばかりだ◆日刊ゲンダイ

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「3・11」以降、南相馬市には都合6回、訪れています。先週末は16名の整体師と共に避難所へ出向き、2日間、体の解きほぐしヴォランティアを行いました。
南相馬市は、東京電力関連の原発交付金=原子力発電施設等立地地域特別交付金を過去、1円も受け取っていない自治体です。「恩恵」に浴した双葉町や大熊町と異なります。が、震災後、20km圏内、20~30km圏内、30km圏外と地域は分断されました。
「住民は常に緊急的に屋内退避や自力での避難が出来る様に準備せよ」と4月22日に枝野幸男官房長官が発表した「緊急時避難準備区域」の設定は、”平成の棄民”状態を更に悪化させます。住んでも良いが自己責任で住め、と住民に丸投げする官僚的逃げです。
件(くだん)の「緊急時避難準備区域」に当たる原町区には市役所が存在し、スーパーも営業し、市の人口の7割が日常生活を営んでいるのです。
にも拘(かかわ)らず、「子供、妊婦、要介護者、入院患者等の弱者は当該区域に入るな。保育園、幼稚園、小中学校及び高等学校は休所、休園、休校」との菅直人原子力災害対策本部長の指示は、以下の「喜劇」を生み出します。
地震・津波の被害も無かった校舎は使用出来ず、30km圏外の鹿島区に位置する学校へと児童生徒は毎朝、バス20台で移動し、空調もない体育館、武道場で「複式学級」を強いられています。
追い打ちを掛けるが如く、渡部恒三代議士秘書から民主党参議院議員を経て転身した佐藤雄平知事が率いる福島県は5月23日、事前相談もなく南相馬市の教員を年度途中で100人削減しました。PTSDの子供の為に臨床心理士を加配すべき実態も理解せず・・・。
数多くの「弱者」が暮らすのを国も県も”黙認”する一方、介護施設も訪問介護も営業が”禁止”されています。脳外科医が常勤する病床数230の南相馬市立総合病院も、72時間以内の緊急入院に対応する僅か5病床しか使用が認められていません。交通事故で脳挫傷を起こした若者も、脳卒中で倒れた老人も、3日後には仙台や福島の病院に転院せよ、と”机上の空論”を国も県も展開するのです。
「今の所は大丈夫」と大本営発表を繰り返しながら、自身は防護服に身を包んで被災地入りした枝野官房長官に僕が質(ただ)した昨日の東日本大震災復興特別委員会の映像と議事録は新党日本HPで視聴・閲覧可能です。