11/10/27 かくも“お子ちゃま”な認識と覚悟だから・・・◆日刊ゲンダイ

全国農業協同組合中央会(JA全中)は25日、TPP反対請願を衆参両院議長に提出し、併せて請願紹介議員356人の氏名も公表しました。僕もその1人です。自民は所属議員の8割以上。公明も6割以上。共産、社民は全議員が紹介議員になる事を承諾。民主も120名に上ります。
が、“護送船団”記者クラブは、枯れ葉剤でヴェトナム戦争に“貢献”し、今や遺伝子組み換え作物開発でシェア9割を超える米国モンサント社と昨年、長期的協力関係を締結した住友化学の米倉弘昌会長率いる日本経団連を慮(おもんばか)ってか、TPPを農業問題へと意図的に矮小化しています。
前回詳述の如くTPP は日本の製造業に深刻な影響を与えます。故に宇沢弘文、金子勝の両氏のみならず、榊原英資、中谷巌、野口悠紀雄、浜矩子の各氏も、参加ありきのTPPバス乗り遅れるな論に懸念を表明しているのです。
行き先も判(わか)らぬバスに乗り込むなんて恰(あたか)も、安くしとくよと言葉巧みな白タク運転手を信じて泥酔した“乙女”が六本木から乗り込む「悲喜劇」です。にも拘らず宰相NÖDÁは17日、「日本は貿易立国だ。アジア太平洋地域は成長のエンジンになるので、高いレベルのTPP経済連携は日本にとってプラスだ」と内閣記者会インタヴューで高言しました。
呵々。日本の最大輸出先国は中国。その中国のみならず韓国、台湾にも参加を求めぬアメリカ主導のTPPは、アジアに於ける日本の“孤立化”を画策する「環太平洋戦略的経済“分断”協定」に他なりません。
にも拘らず、外交に於いても性善説が通用すると信じて疑わぬのか、交渉の途中でも離脱は可能と自称“ドラえもん”官房長官も他称“口先番長”政調会長も明言する始末。それって、破談にするかも知れないけど取り敢えずは結納の打ち合わせをしませんか、と持ち掛けて許されると思い込んでるKYな男性と一緒じゃありませんか。
斯くも“お子ちゃま”な認識と覚悟だから、百戦錬磨の北朝鮮にも中国にもアメリカにも見くびられてしまうのです。与党統一会派「国民新党・新党日本」の諫言にも耳を貸さず、アメリカに阿諛追従(あゆついしょう)の日本経団連改め米倉経「米」連と一蓮托生の民主党政権の猪突猛進を阻止せねば、「にっぽん改国」ならぬ「壊国」へと奈落の底です。