12/01/05 事務屋に毛が生えた程度の政事屋だったな◆日刊ゲンダイ

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一億総中流社会ニッポンを復権すべく、「発想を変え・選択を変え・仕組みを変えよう」と「3・11」以前から繰り返し申し上げてきました。
「増税」に猪突猛進する現政権への復讐の念に燃える読者諸氏と共に、ベア交渉の如き「税率」議論の前に何故、外形標準課税とインヴォイスの「税制」導入が不可欠か、復習しましょう。
直近のデータでも、株式会社の7割が、国税の法人税と地方税の法人事業税を1円も納税していません。連結決算を導入する超大企業も、その66%が同様です。
利益に対し課税する現行の税制から、消費税同様、支出に対し課税する税制=外形標準課税へと転換せねば、以下のアンフェア=不公正な状況が横行し続けます。
債務超過に陥った会社を、好業績な大手企業が戦略的に買収。連結決算上、赤字転落すると、翌年に黒字回復しても自動的に最大 7 年間、法人税も法人事業税も全額免除され、納付するのは企業の住民税に当たる年間僅か 80 万円の法人都道府県民税のみ。
3 割の企業が加重な負担に喘ぎ、残り 7 割が左団扇(ひだりうちわ)。この理不尽を解決するのが、支出に対して広く薄く課税する外形標準課税の導入。にも拘(かかわ)らず、財務省幹部と年末に議論した際も相変わらず“ゼロ回答”でした。
海外への商品輸出に際し、その生産に掛かった国内での消費税額を還付する「輸出戻し税」制度。還付総額は年間 3 兆円。輸出上位 10 社のみで年間 1 兆円。
問題は、製造・流通の中間段階で、どれだけ消費税を業者が納付したか、証明する上で不可欠な取引明細書=インヴォイスを日本だけが導入していない点です。
国内で消費税を納付するのは最終販売業者のみに非ず。材料納入業者も部品製造業者も同様。が、インヴォイス未導入の為、輸出戻し税は全額、最終販売業者の自動車、家電、電機、電子機器等の超大企業に還付。材料や部品の中小納入業者には戻ってきません。仮に消費税率が 10%になれば、大手企業へ還付される輸出戻し税は 2 倍の 6 兆円に。こうした不公正を防ぐべく中曽根康弘内閣で検討された売上税制度にはインヴォイス導入が明記されていました。
が、中曽根翁を師と仰ぐ宰相NÖDÁは、黙して語らず。「少し期待してたが、事務屋に毛が生えた程度の政事屋だったな」と翁が年末に慨嘆したのも宜(むべ)なる哉です。