12/01/19 中国とそして尖閣とどう向き合うか◆日刊ゲンダイ

毎週土曜日22時からBS11で放送の「田中康夫のにっぽんサイコー!」。先週末は畏兄・孫崎享氏に出演頂き、「中国とどう向き合うか」を語って頂きました。
外務省で国際情報局長、イラン大使を、防衛大学校で教授を務めた氏は冒頭、米国の独立系世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが、「中国は米国を追い抜くか?」を各国の国民に調査した結果を示しました。
早くも2009年段階で「追い越す:追い越せない」が67:20の比率だった中国は御愛敬としても、2011年には英仏独でも6割以上が「追い越す」と回答。「追い越せない」は2割台に留まります。09年に33:57だった当事者の米国すら11年には46:45と逆転。唯一、日本だけが09年に35:59、11年も37:60と変わりません。
果たして日本国民のみが洞察力に富んでいるのか否か? 孫崎氏は「米国は島嶼部の防衛に参加するか」も、米国は1996年以降、尖閣諸島領土問題に「中立」で、2005年の「2プラス2」でも島嶼部の防衛は日本側の責任と規定されている事実を語ります。
何故なら日米安保条約に基づき、「日本国施政下への武力攻撃には、自国の憲法に従い行動」と認識している米国が、北方領土は安保の対象外と言明しているのは、明らかに北方領土がロシアの管轄下に置かれているからだ、と客観的真実を語ります。
「尖閣諸島は日米安保条約の対象。他方で領有権の問題に米国は中立」。この2つの公理を踏まえて孫崎氏は、「日本が自ら守らなければ(日本の施政下でなくなり)、我々も尖閣諸島を守る事は出来なくなるのですよ」とリチャード・アーミテージ氏が共著「日米同盟VS.中国・北朝鮮」で明言している“深意”を解説下さいました。
仮に中国が尖閣への侵攻を始めたら、日本の自衛隊が守らねばならぬ。何故なら、領有権の問題に中立な米国は、沖縄駐留米軍も含めて静観するから。
仮に日本が守り切れないと尖閣は中国の管轄下となり、即ち日本の施政下ではなくなるので、同じく米国は静観せざるを得ない。
実に“目から鱗”です。台頭する中国と冷静に冷徹に穏健に向き合う重要性を説く孫崎氏との30分間の映像は、新党日本HPで御覧頂けます。