12/06/14 新防衛大臣の能力と経歴に疑問符◆日刊ゲンダイ

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「防衛相人事は、国会でのクイズ番組のような細かい質問に答える為、最適な回答者を求める感覚で選んだのではないか。森本敏さんにとっても不幸だ」と4日、新党改革代表の舛添要一氏は懸念を表明しました。蓋(けだ)し至言です。
その森本氏を12日の予算委員会で、「十数年来、御指導頂いた。自民党の理論的支柱でもあり、余人を以て代え難い。森本氏を任命した事を私は是とする」と石破茂氏は礼賛。「森本氏の政策を党でバックアップしなければ、何の為に見識有る方を閣僚にしたのか判らない」と畳み掛けると、泥鰌(どじょう)改め“泥縄宰相”も「周りでサポートしていく」と呼応しました。
消費増税ありきで猪突猛進する2人の御仁は、一個人の「見識」に政府も政党も従属すべし、との妄言で一致。う~む、大政翼賛の空気が横溢(おういつ)しています。
二百歩譲って、余人を以て代え難き見識に基づく政策の持ち主だとして、ならば何故、森本氏は大臣就任翌日に開催された「防衛問題を語る有識者懇談会」の人選を諒(りょう)としたのでしょう?
五百籏頭真・政府復興推進委員会委員長、国分良成・防衛大学校長に加えて、慶應義塾大学教授の阿川尚之、読売テレビ特別解説委員の岩田公雄、東京放送元解説委員で自衛隊員倫理審査会長の川戸恵子、ジャーナリストの桜林美佐、防衛大学校元校長で平和・安全保障研究所理事長の西原正、千葉商科大学教授の宮崎緑、国際労働機関=ILO条約勧告適用専門家委員会委員長で人権教育啓発推進センター理事長の横田洋三の各氏。
田中直紀前防衛大臣の下で事務方が人選した面々は実に総花的です。月に一度の開催で一体、何を議論し、何を決めるのか。正(まさ)しく“会議は踊る”懇談会。親米ならぬ従米を以て旨とする前例踏襲意識に凝り固まった防衛官僚の意識改革を図る事など期待し得ません。人選を一新して開催すべきでした。早くも森本氏は官僚の術中に嵌(は)まっています。
シビリアン・コントロールの観点からも、防衛大学校を卒業後に航空自衛隊に入隊し、14年間在籍後に外務省に入省した森本敏氏の経歴は疑問符です。陸上自衛隊員出身なれど、選挙の洗礼を受け続けている中谷元氏とは、この客観的事実に於いて、異なるのです。この点に言及するメディアが皆無なのも、大政翼賛な日本の不感症状態を象徴しています。