12/07/05 「絶望を通り越した」永田町カルチェ・ラタン◆日刊ゲンダイ

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「昨夜、皇居の前をタクシーで通ったら、沢山の人々が集まってデモをしていた。海外でよく見るデモの様にギャーギャー喚(わめ)かず、静かな行進だった。しかし、僕は、その静かな人の群れから深い怒りを強く感じた。政府はこれ以上国民を侮らないほうがいい。人々は、今、絶望を通り越して、本当に怒っている。」
劇画原作者の小池“子連れ狼”一夫氏が6月30日にツイートした140文字の至言です。
毎週金曜夕刻、首相官邸前に参集する数万人もの人々は、凡そ党派性やイデオロギーとは無縁な老若男女。「再稼働反対」の一点で“ユナイテッド・インディヴィジュアルズ”する、自主自律の新しいムーブメントを体現しているのです。
僕も先週末、家族を隣人を郷土を日本を愛する国民の1人として、白い風船を掲げて参加しました。子供連れの母親、ネクタイ姿の若者、歩行杖を持った老人。首相官邸前から財務省前まで、性別・年代・職種を超えた人々で700m余りの歩道が埋め尽くされ、「再稼働反対」の言葉が静かなうねりとなって国会議事堂に木魂(こだま)するのです。
主催者発表で4万5千人、警察発表でも1万1千人に達した前週を遙かに凌駕する人々が押し寄せました。危険回避の為に警備陣の判断で、首都高速霞ヶ関ランプから首相官邸へと向かう30m幅の車道全体が開放されます。それは、“連帯を求めて・孤立を恐れず”とセクショナリズムに陥り、忽ち自爆していった神田カルチェ・ラタン闘争とは真逆の、“自分を求めて・連帯を恐れず”と評すべき非暴力の「首都圏反原発連合」が築き上げた永田町カルチェ・ラタン運動です。
セーフティ・コーンを路肩に寄せながら「再稼働反対」と呟く警察官と目が合うと彼は、はにかみました。議員会館の自室から膨れ上がる人々を眺め、「大した事ない。再稼働しなきゃ駄目だ」と周囲の記者に怒鳴った日本社会党出身・仙谷由人氏には到底理解し得ぬ光景でしょう。
而して、松下政経塾出身の野田佳彦氏は公邸から官邸へと移動する際、「大きな音だね」と冷笑しました。「大増税・再稼働・TPP」に思想洗脳被曝された彼は、それが人の声、人の魂だと認識し得なかったのです。
参加した人々は実に礼儀正しく、終了後の歩道にはゴミひとつ落ちていなかった、と翌日付で「ザ・ニューヨーク・タイムズ」が驚嘆した、「絶望を通り越した」日本人の美徳と怒りすら理解し得ぬ日本版“ビシー政権”にも早晩、「民、信なくば立たず」と痛感する日が訪れるでしょうか?
【関連資料】
・ザ・ワシントン・ポスト12/07/01>>>
・「ザ・ニューヨーク・タイムズ」12/06/30>>>
・原発再稼働に反対する首相官邸前のムーブメントに参加しました 12/06/29 >>>