12/09/13 竹槍で放射能と闘う気かよ◆日刊ゲンダイ

山下俊一福島県立医科大学副学長が座長を務める「県民健康管理調査」検討委員会で11日、18歳以下を対象とする甲状腺検査で1名が甲状腺癌と判明しました。
対象者36万人。検査結果が判明したのは現段階で8万人。5.1ミリ以上の結節=しこり、20.1ミリ以上の分泌物が溜まった袋状の嚢胞=のうほうを425人に発見。残り28万人の調査は完了していません。「チェルノブイリでも甲状腺癌が見付かったのは最短4年。広島、長崎のような外部被曝、チェルノブイリのような内部被曝も起きていない」と放射線の影響を否定する会見を、「県民に過剰な反応が出ないよう」15分間限定で開催しました。
「福島第1原発事故との因果関係はない」と強弁します。が、チェルノブイリでは子供を中心に少なくとも6千人が甲状腺癌を発症しているのです。放射線量5mSv/年を超える地域は立入禁止の強制避難ゾーンとしたにも拘らず。
日本では、5mSv/年を超えても居住可能。田中正造的気骨の持ち主として僕が敬愛する井戸川克隆・双葉町長は、町全域を帰還困難区域に指定すべき、と避難先の加須市に設けた双葉町役場埼玉支所から政府に要望しています。
が、「福島に寄り添う」と事ある毎に高言する細野豪志環境大臣は逆に、20mSv/年以下も避難指示解除準備区域としました。福島の避難基準は、チェルノブイリより4倍も「高い」もとい「緩い」のです。
日本外国特派員協会で昨年12月19日、当時の相澤善吾東京電力副社長と共に会見を行った細野氏は、「福島の癌発生率を全国で最も低い県にする。放射性物質による影響が僅かであっても存在していたとして、それより遙かに大きな癌のリスクが県民生活の中にある。(だから)喫煙を少なくする。栄養バランスの良い食事をする。運動不足にならない生活。それを県を挙げて行えば、福島は長寿健康県になり得る」と妄言しました。
「放射能の影響はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。これは明確な動物実験で判っています」と「3・11」直後に講演を繰り返した日本甲状腺学会理事長の山下氏と「私的懇談会」を重ねる彼は、竹槍で放射能と闘うが如き深刻な内部被曝状態に陥っています。
国会同意の手続きを無視して閣議決定した平成の関東軍たる原子力「推進」委員会の田中俊一委員長を「ベストの人選」と評したのも宜なる哉。嗚呼、にっぽん「壊国」のA級戦犯です。
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・産経新聞 写真入り
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120911/cpd1209111939009-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120911/dst12091122230026-n1.htm
・毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20120912k0000m040046000c.html
・中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201209110206.html
・朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0911/TKY201209110627.html