12/11/15 我欲の暴発、我欲の迷走◆日刊ゲンダイ

「決められる政治」改め「間違いだらけの決めさせられちゃう政治」を疑問も抱かず猪突猛進の野田佳彦宰相は、大増税・再稼働に続きTPPも「決断」。“死出の旅路”へ踏み出しています。
それは、石原慎太郎氏も同じ穴の狢(むじな)。是が非でも豚児・三男の当選を、と視野狭窄状態な彼こそは、一国平和主義ならぬ一族至上主義。「太陽」の代表を粋がるも、「芸術は爆発」の岡本太郎画伯とは対極の、晩節を汚す「我欲の暴発」です。
他方、「殿中で御座る」と宰相の足を引っ張る政権与党の面々も、“富国裕民”の実現こそ政治が担うべき国民益の使命、との観点は露程も持ち合わせぬ「我欲の迷走」に他なりません。
「物心両面で支援し続けたい人物だ」と電事連関係者が囁き、原発関連事業を6年間に5億円近くも関西電力から受注する企業の創業者・時岡忍おおい町長が出席し、原発銀座の福井県に突如、後援会を発足させた細野豪志氏を「党の顔」に据えれば自分も生き残れると捕らぬ狸(たぬき)状態です。
その二股番長は13日、「特例公債法案」=赤字国債を今後3年間、自動的に発行する“禁じ手”の「三党確認書」へ署名後に豪語。「今後、どういう枠組みになっても3党で守る。与野党を超える国会の知恵が実現した」と。信じ難き“上から目線”の発言です。
国民の生活が第一、みんなの党、日本共産党、社会民主党、新党きづな、日本維新の会、新党大地・真民主、新党改革、新党日本の9野党は夕刻、緊急協議を行い、声明文を発表しました。
「憲法と財政法に定められた財政原則を逸脱し、財政規律の歯止めを外す事に繋がる重大な問題」で、「2015年度まで立法措置なしに赤字国債を発行出来るとする事は、国会のチェック機能を奪うものであり、到底容認出来ない」。
国会も要らない、総選挙も要らない、と天に唾する話ではありませんか。軍部の暴走を肯定するが如く青天井の戦時国債発行を許した大政翼賛会の再来です。
「間違いだらけの決めさせちゃう政治」の一環として「特例公債法案」の本則で規定させた財務省も、自家撞着に陥っています。声高に唱えてきた「財政規律」「プライマリーバランス」の惹句(じゃっく)は即刻、放送禁止用語に指定すべきでしょう。
「財政規律」を守るべく、三木武夫内閣で大蔵大臣として、特例公債法案の毎年の審議と採決を決断した大平正芳氏は、斯くも日本は劣化したか、と泣いているでしょう。
野党9党の確認書
[参考]民自公3党確認書
【関連サイト】
野党9党”3党合意認めない” NHK>>>
公債法案修正に反対=9野党 時事通信>>>
中小野党9党、赤字国債法案修正に反対 日本経済新聞>>>