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田中康夫・長野県知事退任
退任挨拶
 本日まで信州・長野県知事を務めさせていただきます田中康夫であります。(拍手)私たちが学び、働き、暮らすこの社会は、一部のあらかじめ守られた既得権益者のために存在するのではありません。私は、政治こそは生活そのものであり、その生活をともにする人々を結び付けるのは言葉であり、すなわち私は政治こそは言葉そのものであると。その思いを抱き、この6年間を過ごしてまいりました。(拍手)このことを理解いただき、ご支持いただき、そしてともに行動をしてくださった全ての皆様に改めて深く感謝を申し上げたいと思います。
 思い起こせば6年ほど前、今よりもちょっぴり、いやあるいはもう少し太っておりました私は、多くの皆様に迎えられながらいわば一人で落下傘降下してきたようなものであったかと思います。そして私は何ら後ろだてのない、けれどもその中において時には悩み傷つき、そして悲しみ、あるいは憤る、そうした私利私欲なき方々のために言葉を通じて、そして現場主義と直接対話を実践する中において、多くの方々とともに信州からより良き社会をつくり、そしてそのことが日本全体へと広がっていく、そのことを及ばずながらもともに目指さしていただきました。(拍手)
 私たちのこの信州・長野県、例えば法律を変え、条例を変え、あるいは規定を変え、大都会と同じような景色にすることは、お金があれば、あるいはなくてもとりあえずの借金をすればできるかもしれません。しかしながらこの日本海側と太平洋側に多くの清らかな水を水源県として発信をする、この信州の美しい緑や水や、あるいは山々、そしてふるさとの原風景というものは、たとえ大都会の方々がどんなにかお金を投じたとしてもそれは移らせることはできませんし、またそれを築くことも育むこともできません。私たちは正に未来の子どもたちに借金の山を残さない、そして未来の子どもたちに(拍手)福祉や教育、医療、環境、あるいは観光という人が人のために尽くして初めて成立し得る、そうした21世紀の確かな私たちの働きぶりによって恵みの山を残そうと、皆様のご協力を得て行ってまいりました。(拍手)
 恐らく明日からは幸いにして少し減量して体重も身軽になりましたので、同じ思いを抱かれる皆様とともに、今度は落下傘ではなく、素晴らしい夢を実現させるバルーンに乗り込んで、この信州から、信州をより良く、そしてまた日本をより良く、信じられる社会を取り戻すために皆様とともに歩めればと思っております。(拍手)
 先程、「信州を思う53万人の会」という新たな会の手続きを済ませ、関係の諸団体から認可をいただきました。(拍手)
 正に、中央、地方というような上下の関係ではなく、それぞれの人口や面積の多寡に係わらず、自律的に年齢や性別、経歴や肩書、さらには国籍や障害の有無を問わず、前を向いて生きていかれる、そうした克己心と向上心に富んだ人々とともに、この信州から私は、正にモットーであります「怯まず、屈せず、逃げず」、そしてさらにはいかなるときにおいてもぶれることなく、地域から日本を変える、そして地域から信州をより良く変える、このことを皆様とともに行える、人々に引き続き奉仕をする、仕える者でありたいと考えております。(拍手)
 私の個人的な話は、通常あまりしないのですが、ある意味では、今この時も軽井沢の自宅におります両親は、母は今日もお弁当を作ってくれまして、最後のお弁当は、少しく忙しくて味わうことができませんでしたが、そして父は毎日、50にもなってお恥ずかしいと皆さんから、あるいはそしりを受けるかもしれませんが、私のスーツに、ズボンにアイロンをかけてくれ、7時31分の軽井沢駅発の電車に乗るために毎日車で送ってくれました。
 今日は澤田祐介、そして青山篤司、丸山ナという多くの、正にこの社会をより良くするためにともに歩んでくれた方々と一緒にこの後皆様にごあいさつをして、そして車に乗り込んだ後は、できれば大変生意気ですが両親とともに食事をし、そして引き続き地域から信州を、日本を変えることに皆様とともに歩める、そうした人生でありたいと考えております。
 本当にどうもありがとうございます。(拍手)



最後の部長会議
(澤田祐介 副知事)
 はい、ありがとうございました。16時30分からまたセレモニーの時にご挨拶があると思いますけれども、部長会議の最後と言うことで締めで知事から一言で締めたいと思いますけれどもお願いします。

(田中康夫 知事)
 改めて皆さんに大変感謝をしています。同時に例えば地下のお掃除の方のところ、先日知事室にも来てくださったんですけども、その中のお一人の方が朝7時前からお掃除をされる中で長きにわたって民生委員を務めていらっしゃることを初めて知りまして、皆さんご存知のように民生委員は無報酬ですし、大変に後ろ盾のない県民のまさに一隅を照らす、自分も一隅を照らされる一方で、一隅を照らすことをされているのを知って、私は大変深い感銘を受けました。同時に私達の職員が、ご存知のようにボイラーや電気の部屋があります。そこは半地下になっていますので自然光が入りはしますけれども、こういう人達によって私たちのこの県庁舎に訪れる方々も心地よいサービスを受けていただけると、同時に私達職員も笑顔でそうした方に接せられると。私達のチームワークというのはそれぞれの従来の所掌範囲の仕事を超えて、一緒にチームワークを組もうと言うことを、水であったり、緑であったり、土であったり、あるいはその他の事に関しても行ってきましたが、同時に私は民生委員をなさり、そして私達の庁舎を毎日清めてくださる初老の女性の方がいらっしゃったり、私達の職員として電気室で昼夜を問わずこの建物で働く人々のために尽くして下さる方がいるということを今日改めて知ってですね、私達が考えているチームワークと言うのは、私達が想像しているのよりも遥かに広い、そして深いネットワークなのだということを感じました。そしてそれが、私達が繰り返してきたパブリックということは、そうした人々の願いを実現していくと言うことなんだろうと思います。先ほど私が6年前の就任の挨拶の紙もお配りしましたけれども、是非皆さんが一人の人間として、あるいは父親や母親やあるいは独身の方も私同様いらっしゃると思いますが、一人の人間として人々に尽くしてくださることを願っています。どうもありがとうございます。

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