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質問主意書



質問主意書
2009/02/13

第二次世界大戦に係る日本政府の歴史認識に関する質問主意書

 



質問第四五号
第二次世界大戦に係る日本政府の歴史認識に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十一年二月十三日
田中康夫
参議院議長江田五月殿


第二次世界大戦に係る日本政府の歴史認識に関する質問主意書
内閣官房内閣広報室が発行する『麻生内閣メールマガジン』(以下、「同メルマガ」という。)(http://www.mmz.kantei.go.jp/jp/m-magazine/)の二〇〇八年十二月四日発行の第九号に関して以下のとおり質問する。項目毎に個別回答されたい。

一 同メルマガは、「国権の最高機関に拠る指名、畏くも、御名御璽を頂き、第九十二代内閣総理大臣に就任致し」た麻生太郎首相が組閣・任命し、認証を得た現内閣の公的発行物と認識して宜しいか。

二 同メルマガの編集・発行責任は、内閣官房内閣広報室に帰すると認識して宜しいか。

三 同メルマガに於ける麻生太郎首相の発言は、現内閣を代表する公的見解と認識して宜しいか。

四 同メルマガが配信する「麻生総理へのインタビュー動画のコーナー『太郎ちゃんねる』」の『第十回太郎ちゃんねる』(http://www.kantei.go.jp/jp/asovideo/2008/12/6000/normal_play6000.html)で麻生首相は、「一九四一年十二月に第二次世界大戦が真珠湾攻撃で始まるんです」と断定的口調で発言しているが、これは、現内閣に於ける日本政府の見解と認識して宜しいか。

五 『第十回太郎ちゃんねる』の映像には、同発言と一言一句違わぬ字幕を付しているが、その掲載は内閣広報室の判断に基づく作業と認識して宜しいか。

六 然るに、文部科学省検定済教科書の、何れの出版社の発行書に於いても、高等学校「世界史」、中学校「社会科」教科書では、一九三九年九月一日ドイツがポーランドに侵攻し、これに対しイギリス・フランスが宣戦布告して第二次世界大戦が始まった、旨の記述で統一されているが、この点との不整合を如何に捉えるべきか、政府の見解を問う。

七 万が一にも、真珠湾攻撃が第二次世界大戦の引き金であり、即ち、第二次世界大戦の端緒は日本軍の真珠湾攻撃に帰因するとするなら、その新たな歴史認識に基づき、検定済教科書に於ける、第二次世界大戦の開戦に関する記述変更を、麻生太郎内閣は文部科学省に対し具体的且つ早急に指示すべきではないか。併せて、日本政府としての新たな公式見解を国内外に周知する努力を怠るべきではない、と考えるが、政府の覚悟を問う。

八 百歩ならず二百歩譲って、『第十回太郎ちゃんねる』に於ける発言(「一九四一年十二月に第二次世界大戦が真珠湾攻撃で始まる」)が、「(既に生起していた第二次世界大戦の新たな拡大局面である)太平洋戦争が一 九四一年十二月に真珠湾攻撃で始まる」の限定的意味合いであるとしても猶、件の発言は、「言葉足らず」「舌足らず」「口が滑った」といった類の弁明では、日本国内のみならず国際社会に於いて到底、承諾され得ぬ、凡そ日本国の宰相としての智性を疑われる、極めて恥ずべき行為に他ならず、その重大性に鑑み、国権の最高機関と日本国憲法で位置付けられる国会の場に於いて麻生太郎首相は、自身の歴史認識の誤謬に関する謝罪と訂正をすべきと考えるが、政府の覚悟を問う。

九 併せて、内閣官房内閣広報室も、公文書たる「インタビュー動画」に於ける、件の断定的発言の撤回と訂正を可及的速やかに実行すべきと考えるが、その具体的スケジュールを示されたい。

十 『太郎ちゃんねる』では毎回、冒頭に「今週のお題」なる惹句が画面に掲出されるが、誰の提案に基づく演出か、具体的に示されたい。

十一 「お題」とは本来、寄席の演目の最後に複数名の噺家が高座に上って芸を競い合う「大喜利」の際、観客から出される題名を意味する符丁であるが、日本の政治も経済も混迷の極みを漂流する現在、斯くなる符丁を首相官邸の広報活動の一環たる『太郎ちゃんねる』で用いる適否に関する首相官邸の見解を示されたい。

十二 『太郎ちゃんねる』の映像には、一言も発せぬ儘に頷く役目の女性の姿が冒頭と最後に映し出されるが、『太郎ちゃんねる』制作に要する収録・編集・出演等、毎回の支出を具体的に示されたい。仮に一連の作業を外部に委託している場合、その入札に関する資料を示されたい。
右質問する。


参考:太郎ちゃんねる 2008年12月4日発行
参考:毎日新聞 2009年2月24日20時15分配信
参考:耳を疑うお坊ちゃまのトンデモ歴史認識(日刊ゲンダイ2009/02/25発行)
 
     

答弁書


2009/02/24
内閣参質一七一第四五号
平成二十一年二月二十四日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 河村健夫
参議院議長 江田五月殿

参議院議員田中康夫君提出
第二次世界大戦に係る日本政府の歴史認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

参議院議員田中康夫君提出第二次世界大戦に係る日本政府の歴史認識に関する質問に対する答弁書

一及び二について
 お尋ねの「麻生内閣メールマガジン」(以下「メールマガジン」という。)については、国民が政策形成に参加する機運を盛り上げるため、内閣と国民との双方向の対話を目的として発行しているものである。その編集は、内閣総理大臣を総編集長、内閣官房副長官を編集長とし、内閣官房内閣広報室において行っている。

三について
 お尋ねの「現内閣を代表する公的見解」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。

四及び六から九までについて
 「第十回太郎ちゃんねる」における麻生内閣総理大臣の発言は、十年後の日本の姿を想像し難いということを、先の大戦前後の日米関係を引き合いに出して述べたものであり、先の大戦に関する政府としての認識は、平成七年八月十五日及び平成十七年八月十五日の内閣総理大臣談話等において示されてきているとおりである。
 なお、歴史教科書の検定は、教科用図書検定基準に基づき、検定の時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして記述の欠陥を指摘することを基本として実施しているものであり、国が特定の歴史認識や歴史事実を確定するという立場に立って行うものではない。

五について
 お尋ねのメールマガジンの「第十回太郎ちゃんねる」の字幕作成事務については、内閣官房内閣広報室において担当しているところである。

十及び十一について
 お尋ねの「今週のお題」については、御指摘のような意味ではなく、映像の主意を端的に示すものという意味で、「太郎ちゃんねる」に対して親しみを持ってもらうために使用しているものである。また、その使用については、編集における議論を経て決定したものである。

十二について
 お尋ねについては、これを明らかにすることにより、収録の際の状況等が明らかとなり、内閣総理大臣の安全を害するおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
 なお、「太郎ちゃんねる」に登場する女性については、内閣官房の職員を活用しており、その発言については、編集によって字幕に置き換えているため、映像上は、発言部分が削除されている。

 

 
     

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